レンテン族の紹介


ラオスの北部山岳に暮らす民族の1つである「レンテン族」は中国南部から移住してきた民族です。「レンテン」は「藍染」という意味で、布を藍色に染める美しい文化は彼らの生活の中心でもあります。レンテン族はピンク色の飾りと銀製の宝石、独特の黒い藍染の服を着ます。また、高品質の綿布、木製のお面、そして丈夫な竹製の紙を使用しています。彼らは古代中国語に基づいた文字の文化を持っており、男性は宗教的な文章や儀式、伝説について書き記すときに漢字を使っています。レンテンの暮らしは自然そのもの。自然の中でシンプルに生きる事を実践し続けています。彼らの手織り、自然染の生地の深い魅力をご紹介します。

 

藍はレンテンの村で育てています。生地は機織り機で織っており、4~5日で1反の生地が完成します。藍染に使用する石灰でさえも、石灰石を切りだしてきて三日三晩、焼き続けて石灰にしています。1世帯では火の番が難しいので、3~10世帯がチームとなって担当します。藍を摘んできて染める際には、1週間染めて洗い干す、という工程を繰り返します。独特な黒の藍染にするには1か月~1か月半、繰り返し染めることが必要なのです。

 

レンテン族の生地の中で、黒と青は藍から染めています。黄色はウコン、赤はマークバオ、緑はドンマークリンマーイという木の皮から染めています。染める回数によって濃淡が異なります。

 

【生産者の声 ナムディー村 ラーイさん】

 

結婚を機にナムディー村に引っ越してきました。この村で子どもを育て、いまは孫たちも一緒に暮らしています。

 

村に必要なものは?という問いに対して、レンテンの文化を保護すること。自分たちの生活習慣や機織り、刺繍を守ってそれをより良くすることが、村を守ることに繋がると思う。という答えが返ってきました。石灰を手作りで作ることも、藍や綿花を育てる事も、もっと「簡単にしようと思えばできる」けれど、手をかけるからこその価値をレンテンの人々は知っているのだと気づかされました。